「檻の中のライオン講演会in東大和」を開催!
1月7日(日) 桜が丘市民センターで「檻の中のライオン講演会in東大和」を開催しました。今いちばんわかりやすい憲法入門書として話題の「檻の中のライオン 憲法のことがわかる46のおはなし」。著者の楾大樹(はんどうたいき)さんは弁護士でありながら、日本人が憲法について知らなすぎるということに危機感を覚え、全国を飛び回って憲法を広める活動をされています。
私は昨年7月に多摩市で行われたこの講演会を聞いて、東大和でもぜひやりたいと思っていました。年明けすぐの三連休なか日でありながら、定員の50人を超える参加者。今回で904回目となる人気の講演会に、関心の高さを感じました。
はじめに楾さんより「基本的人権を尊重しなければいけないのは①国民みんなか、②国民みんなじゃないか」という問題が出されました。①の「国民みんな」に手を挙げる人が多数派でしたが、答えは②。早速、受付で配られた「オリライ特製クリアファイル」(憲法全文が載っています)をみんなで確認しました。
99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ
基本的人権は皆が生まれながらに持っていて、憲法により保障されています(第11条)その憲法を守り、人々が自分らしく暮らせるように基本的人権を尊重する義務を負うのは「政府や国家権力」です。ちがう個性を持った人々がみな尊重されて暮らすために、国家権力=ライオンに取り仕切り役を任せています。でも好き勝手にされては困るので、私たちの人権が守られる政治を行うようにライオンと約束を交わしました。この約束が憲法=檻というわけです。
これは「右か左か」というような主義や主張より前の、立憲主義国家としての前提。でも日本では憲法についてあまりそのように認識されていません。それは学校でそのように教えられていないから。立憲国家として教育でそれを教えることは政治の責任だと楾さん。
憲法の根っこにあるのは「だれでも生まれながらに人権がある。個人が尊重される」という考えです。ひとりひとりが幸せに生きられるようにルールや仕組み=国家があります。憲法を作るのも私たち国民(国民主権)。当たり前のことのようですが戦前は「国家のための国民」という考え方で大日本帝国憲法は天皇が制定したもの。今の私たちの暮らしがあるのは、憲法が権力を制限して私たちの人権を守っているおかげなのです。
でも憲法があっても、それが守られなければ意味がありません。政府がおかしなことをしていたら声を上げる、投票行動で不信任を突きつけるといった行動で監視をし、憲法を守らせるのが私たち国民の役目。でもそのチェック機能はしっかり働いているでしょうか。
ここ10年ほどで、憲法違反の政治がたくさん行われているけれど、選挙をしても有権者がそれにNOを突きつけることもない。国民が無関心なので、憲法違反の政治がまかり通っている、と楾さんは言います。憲法や政治の話をするとへんな人、というこの日本の雰囲気、おかしいですよね。ひとりの主権者として「自分の頭で、自分や、自分の子孫の問題として、真剣に考えていかなければなりません」そのためには日々のニュースなどにアンテナを立てて「知ること」そして「考えて」「行動する」ことを続けてください、という楾さんからのメッセージでした。