2023年第4回定例会 一般質問 ②
ーーー 一般質問「「成年後見制度の利用促進に関する法律」に基づく取り組みについて」 ーーー
質問)成年後見制度を利用する際の流れは。 ➡ 本人の判断能力が十分でなくなったときに親族が家庭裁判所へ成年後見の審判を申立てる。親族がいない、いても成年後見についての知識がない場合は、市から委託を受けた東大和社会福祉協議会の「あんしん東大和」で相談を受けられる。社協の職員だけでなく、弁護士や司法書士などの専門相談も行っており、制度の利用がふさわしいと判断されれば家庭裁判所への申立てとなる。
質問)制度を必要とする人を見つけて利用を進めるという仕組みはあるか。 ➡ 現状そういった仕組みはない。しかし、ケースワーカーが身寄りのない高齢者などで権利擁護の必要があると判断した場合、市長が申立てを行うことができる。
質問)「第6次東大和市地域福祉計画」で整備を目指している「地域連携ネットワーク」について、どのようなものをつくろうとしているか。 ➡ 国が定めた権利擁護支援の地域連携ネットワークであり、中核機関を中心に、協議会や支援チームにより構成されるもの。全国どの地域においても、必要な人が制度を利用できるようにするものである。
質問)中核機関の具体的な機能と、協議会や支援チームはどのような人で構成されるのか。 ➡ 中核機関には広報、相談、利用促進、後見人支援の機能と、成年後見制度の不正利用の防止効果がある。協議会は法律専門団体(弁護士会、司法書士会)、福祉関係機関(社会福祉協議会、社会福祉士会、地域包括支援センター)、地域関連団体(民生委員、自治会)、医療機関、金融機関団体など幅広い団体で構成される。支援チームは本人に身近な親族、福祉、医療、地域の関係者と後見人などが構成員となる。
質問)「第6次東大和市地域福祉計画」では令和8年までに地域連携ネットワークを整備することとなっているが、どこまで進んでいるのか。 ➡ 市の委託先である社会福祉協議会が成年後見制度の推進機関となり「あんしん東大和」を実施している。相談業務や後見人サポート、市民や支援者に対する講座、毎月の支援検討会議、司法書士や弁護士による専門相談を行っている。
質問)地域連携ネットワークが整備されると制度の利用に関してどのような点が変わるのか。 ➡ 中核機関が設置されると、申立ての書類作成の支援により申立てがしやすくなったり、専門家の参加により本人にふさわしい制度の利用に向けた検討が行われ、適切な後見人を選ぶことが可能となる。先進市では、周知啓発が進んだことにより相談件数が増え、「元気なうちから備える」ことができつつあると聞いている。
質問)今後どのように進めるのか。 ➡ 中核機関の立ち上げが必要だが、国や都の財政援助が重要ではないため、現状を効率化することを検討したり、国の支援について情報収集していく。
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成年後見制度は、判断能力が十分でない方が、自分らしい判断を後見人の支援を受けることで行い、社会で自立して生活するための権利擁護の制度です。高齢化により今後ますます必要性の高まる制度であり、利用促進の仕組みづくりが求められます。
その性質から、制度を必要とする人を周りの人が見つけ、利用につなげることが必要。制度の認知度が十分でない状況ですが、今回取り上げた地域連携ネットワークが整備さると、制度の利用促進を行う専門の機関(中核機関)が設置されることで相談がしやすくなったり、協議会の設置によって専門家と関係機関の連携が強まります。本人の周囲の人から制度へつなぐ道すじが明確になり、制度の利用を進めることができます。
残念ながら、今回は地域連携ネットワークの構築の具体的な道すじは聞けませんでしたが、計画の通りに整備が進むように注視していきます。