東大和ネットサロン「防災・その時どうする⁉」開催しました②
7月22日(土)の東大和ネットサロンの後半は、東大和南公園のセンター長の林さんからのお話や、園内の防災設備の見学をしながら解説をしていただきました。
≪広域避難場所≫
東大和南公園は、「広域避難場所」に指定されています。災害時、自宅にいることが危険な場合「一時集合場所」に行きますが、さらに火災などの危険があるときには東大和南公園のような「広域避難場所」へ避難することになります。混同しがちですが避難生活を送るのは「避難所」。「避難所」は小、中学校や高校、市民センターなどの公共施設に置かれ、市が運営します。また、東大和南公園は大規模災害時に救出・救助や復旧活動の拠点として活用できるよう整備された「防災公園」でもあります。停電になっても使えるソーラー照明灯や非常用トイレなどいろいろな設備があります。
≪首都圏で被害が想定されている主な地震≫
①首都直下地震 … 沈み込むプレート内が割れることで起こる「都心南部直下地震」や、活断層の活動による地震。今後30年以内に70%の確率で起こるといわれています。東大和周辺では震度の想定は5強~6強。
②海溝型地震(南海トラフ地震)… 駿河湾から高知県足摺岬沖までの「南海トラフ」には3つの震源域があり、南海トラフ最大級の地震となった場合はマグニチュード9.1と想定されています。今後30年以内に起こる確率は70~80%。西日本の広範囲に津波が押し寄せ、東海地方や西日本が壊滅する危険も。東京の震度想定はほぼ5強以下。
南海トラフ地震では被災範囲が広く、被災者が多くなるため救助や復旧が進まない恐れがあるそうです。東日本大震災では被災した人1人を支えたのは12人でしたが、南海トラフ地震では1人を1.5人で支えなければならなくなる可能性も。
≪備えるべき対策は≫
①家屋の倒壊を防ぐ … 耐震診断、耐震補強を進める。(2022年時点の東京の住宅耐震化率は約92%)
②家具の転倒防止対策 … 家具の固定など。
③火災への対策 … 住宅密集地では延焼の危険が高い。建物の不燃化対策が必要。大規模火災になったときには近所の小規模公園や学校などの避難では不十分。広域避難場所へ避難すること。
④備蓄を進める … 72時間を生き抜けるように。水は1人につき1日3ℓ必要。ローリングストックで備える。
≪東大和南公園の防災設備≫
①ソーラー照明灯… 公園の入り口にある「広域避難場所表示灯」や、園路に埋め込まれている避難誘導灯、また公園内の照明灯もソーラーパネルで発電し、停電時でも点灯できるようになっています。
②ヘリポート … 園内の運動広場は自衛隊などのヘリコプターが離発着できるようになっています。ヘリコプターを照らす照明も、ポータブル充電機から電気を取り、停電時でも使えます。災害時以外にも、ドクターヘリが発着し救急車での搬送が間に合わない患者さんの救命活動を行っているそうです。
③非常用トイレ … 公園内の3か所のトイレに非常用トイレが設置されています。床のマンホールのような蓋を開け、専用の便座部分を設置して使用します。地下に排泄物を直接溜めるようになっています。
④サービスセンター … 非常用発電装置と約1週間分の燃料備蓄があり、停電していてもサービスセンターとして稼働できます。ガラス張りで外からでもセンター内のテレビで情報を確認できます。
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今回のサロンをきっかけに、防災についていろいろ調べました。震災はいつ起こるか分からず完璧に備えておくことはできないですが、どういうことが起こりうるかを知ったり、どんな行動がよいか日頃から意識することが重要だと実感しました。公的な対策も日々進化していることも知りました。耐震化が進められていたり、緊急地震速報の出し方なども、大きな震災を経て改善されているそうです。防災の常識はどんどん変わっていきます。定期的に防災について考える機会を持つことが必要です。東大和・生活者ネットワークでは継続して防災サロンに取り組んでいきます。