【2025年 第3回定例議会報告】

2025年9月2日~25日まで、東大和市議会第3回定例会が行われました。

東京2025デフリンピックHPより

東大和市乳幼児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を定める条例

 国の通称「誰でも通園制度」が来年度から本格実施となるため、実施する施設の認可をするための基準を定める条例が提案されました。就労などの要件なく、生後6か月~満3歳までの子どもが対象で週10時間まで預けられるというものです。(東京都では先行して昨年10月から「多様な他者との関わりの機会の創出事業」という同様の制度を実施。時間の制限がないので10時間を超えても都の制度で利用できる)これまでも「一時預かり事業」がありましたが、それは保護者の都合により預けるというもので、本制度はどの子どもにも、保育所での育ちの環境を保障するものだということです。しかし、私は生後6か月から2歳の小さな子どもにとって、「家庭での親の保育では不十分」という考えには賛同できません。社会状況の中で孤立する親子がいるのは事実ですし、子どもが経験や体験が得づらい状況もあるとは思います。家庭で子育てしていても、身近に頼れる保育士のような専門家がいたり、他の親子とつながれたり、活動ができるような環境こそ整えることが必要です。国の進めることですので条例に反対はしませんが、子育てひろばや一時預かりの充実、プレーパークの整備など同時に行っていくよう求めました。

男子へのHPVワクチン接種補助が決まりました

 今年度、東京都が男子への接種補助を始めたことで、都内では接種補助を実施する自治体が増えています。東大和市でも今回、補正予算が成立したことにより実施されることが決まりました。男子へのHPVワクチン接種は「費用対効果が見合わない」などの結論により国が定期接種化を見送ったものを、東京都が独自に助成を行うものです。効果があるとされている肛門がんは大変罹患数の少ないものであり、尖圭コンジローマは自然治癒も多い良性の病変。一方HPVワクチンによる重篤副反応疑い報告は「接種者100万人あたり300〜500人程度」と厚労省のリーフレットにも記載されています。これはほかの定期接種ワクチンでの重篤副反応の平均に比べ、7.4倍の人数です。リスクベネフィットバランスが著しく悪いもので賛同しかねますが、接種補助を行うのであれば、接種するかしないか、主体的な選択ができる情報を提示することを求めました。

狭山緑地の公民連携事業の検討を進めるための委託料が計上されました

 狭山緑地のフィールドアスレチック改修事業は、ローラースライダーの整備などこれまでの計画が一旦中断しています。市は「民間活力を導入して実施する」と説明してきました。委託業者により「プレサウンディング調査(民間事業者から広くアイディアや意見を聞くための調査)」を実施し、引き続き民間活力導入の手法や具体的な整備の内容について検討を進めるということですが、民間にとって都合のよいあり方になっていかないか、ということが懸念されます。「どういうやり方ならできるのか」ではなく、「狭山緑地がどういうあり方であれば市民にとってよりよいのか」がまずはじめに来る検討がされなければなりません。今後も注視していきます。

デフリンピックの周知のための予算が計上されました

 11月に開催される「東京2025デフリンピック」では、BIGBOX東大和のボウリング場が競技会場となります。ほかに競技会場となる調布市や府中市では、市のHPでデフリンピックの紹介を行なったり、紹介動画を作成して掲載したりしています。東大和市では周知が十分でなく、気運が高まっていないのでは?との指摘もあります。今回の補正予算で、大会の横断幕の予算が計上され、市庁舎や東大和市駅前に掲揚されるということです。また10月には啓発のイベントも実施されます。聴覚障害者への理解促進のために会場周辺の店舗にコミュニケーションボードを配布するなど提案しましたが、スマートフォンなどのツールでコミュニケーションができるので、配布はしないとのこと。ツールがあるかどうかというだけではなく、みんなで理解を進めていこうという雰囲気をつくるのに、ボードを配るということは有効だと思います。聴覚障害者団体の方が自分たちで配布を行っているとも聞いていますが、市も積極的に協力して、この機会に聴覚障害者への理解が深まるよう、取組んでほしいです。