東大和・生活者ネットワーク30周年記念「新しい自分に出会い 明日がもっと豊かになる 表現ワークショップ」を開催しました

 

講師の鈴木佳由さん

 東大和・生活者ネットワークは今年、設立30周年。記念のイベントを10月19日(日)奈良橋市民センターで行いました。

タイトルは「新しい自分に出会い 明日がもっと豊かになる 表現ワークショップ」東大和・生活者ネットワークは30年の歩みの中で、その時々の暮らしの実情から、市民目線で社会を変えようと活動してきました。そして今現在、息苦しく、のびのびできない、言いたいことが言いづらい社会になっていると思います。今回は心をリラックス、体を解放して、いつもと違う感覚を味わうような時間を持てるよう、表現ワークショップを企画しました。講師は俳優・朗読家の鈴木佳由さん(演劇集団 円 所属)。自身の表現や数多いワークショップの経験から、初心者でも体・心を開いて楽しめるような内容でおこなっていただきました。

 鈴木さん曰く、「本当はみんなアーティスト。ひとりひとりが世界を変えていく力を持っている」のだそう。誰にでもいい声がある。しゃべるときには体がほぐれているか、温まっているといいそうです。どちらを意識してもよく、体がほぐれれば温まってくるし、温まればほぐれる。足の裏を意識して地面にしっかり立つこと。椅子に座るときでも両足が地面についていると力が入るそうでる。また息を深く吸うことも重要ですが、そのためにはまずとことん吐く。そうすると自然に深く息を吸い込めます。

 それからフロアを自由に歩いてみました。「GO」「ストップ」の声に合わせて動く、止まる。「ジャンプ!」で飛ぶ。「クラップ!」で手を打つ。声に瞬時に反応。だんだん体が温まってきます。次は言葉と逆の行動をする。「GO」は止まる。「ストップ」は進む。「ジャンプ」は手を打つ。「クラップ」はジャンプ。これ、私には結構難しかったです。

 それから「握手のたび」というワークを行いました。フロアを歩き、出会った人と下の名前を言い合う「あやこ」「けいこ」。そして握手。握手で名前が交換されあやこさんは「けいこ」にけいこさんは「あやこ」に。つぎつぎ握手をしながら名前を交換していきます。そして自分の元の名前に出会ったらその人は椅子に座ります。どんどん続けるとなぜか特定の名前によく出会う。私は自分の名前には会えずにワークは終わりに。フロアに残った人がそれぞれ今の名前を言っていくと、なぜか「ゆうこ」さんが4名。どこかで言い間違えたりしてきれいには終わりませんが、お互い名前を呼び合う楽しいゲームで、打ち解けた雰囲気になりました。

「握手のたび」私の名前は??

 その次は2人でボールを投げ合いながら、投げた方が「はーい」と相手が取るまで言うというワーク。相手をしっかり見て、受け取れるように投げ、取るところまでちゃんと見届ける。しばらく続けた後、講師の鈴木さんからしゃべることもこれと同じですよと。相手に言葉を届けるには、相手に向けて届けようとしゃべること。それを体感できるボールのワークなのだそうです。(受け取る方も相手の投げたボールに最後まで注目して取りますが、聞くときにはこの姿勢が必要)届けたい方を見る。そして届けよう、と意識をすることで伝わるのだそうです。

 最後は表現ワーク。4つのグループに分かれ、グループごとに高見順の詩「われは草なり」を朗読しました。講師の鈴木さんは人生の中で「詩」に支えられてきたそうです。詩は読み手が好きに読んでいいもの。これが「脚本」であれば流れに沿うという制約があるけれども、詩はそれだけで存在し自由。グループごとに相談して自分たちの「われは草なり」をつくり、発表しました。動きをつけたり、ひとりずつ読む、二人で読む、またどんな雰囲気で読むかもそれぞれ。参加の皆さんの普段とは違う朗読する姿をみることができました。

チームレインボー「われは草なり」

 「表現ワークショップ」なんて、何やるか分からないし、身構えて硬くなったりしてしまうかも…との心配もありましたが、参加の皆さんはリラックスして楽しんでくださった様子でした。楽しく心を開いて、タイトルの通り「新しい自分に出会い、明日がもっと豊かになる」ワークショップになったのではないかと思います。東大和・生活者ネットワークの30周年記念として、このイベントを行なえたことは大変幸せです。不安が多い時代ですが、不安を解消しようという視点で考えるだけではなく、楽しさや「こうなったらいいな」といったことから地域を変えていかれるよう、この先も活動していきます。