【2025年 第3回定例議会報告】決算特別委員会
9月18日、19日の2日間で2024年度の決算審議が行われました。

人事管理について ➡ 2024年度の退職者数は37人と高い水準。2025年度に向けては会計年度任用職員の大幅な削減が予定されていましたが、そのことによる正規職員の増員の予定はありませんでした。また職員採用では年度内の採用が十分にできず、2025年度当初の欠員は25~30人程度でした。定年退職者が多いタイミングであったとはいえ、21人が定年でなく中途退職しているので、退職が多い要因を検証し職場の在り方など検討が必要ではないでしょうか。
市からの口座振込方法の変更について ➡ 2024年10月から市からの口座振込は振込手数料が有料となったため、同日の同一口座への振込は合算しておこなうよう、振込方法が変更されました。支払先に事前に説明がなく、突然の変更にとても混乱したこと、市のHPを確認して合算額から該当する振込情報を探さなければならないなど、負担が増えています。個人への支払いでも合算でおこなわれるものもあるとのこと。「効果的・効率的な行財政運営」として、市民や市内事業者の利便性を切り捨ててしまうことでよいのか疑問です。
スクールソーシャルワーカーへの相談件数が増えています ➡ 前年度に比べ相談件数が3倍以上に増えています。困難や課題を抱える子どもについて、学校からスクールソーシャルワーカーへつなげたり、スクールソーシャルワーカーが関わることでその子や家庭の状況を学校に伝えたりと、役割を発揮していることが伺えます。ヤングケアラーの相談も5件あり、表からは見えづらく、これまで支援が届いていなかった困難に目が向けられるようになったことは前進です。不登校の相談は前年の48件から大きく増え167件。サポートルームなどの利用割合は低く家で過ごしている子が多い現状ですが、相談へつながる子どもが増えていることは評価できると思います。スクールソーシャルワーカーの相談機能のように、困っている人への支援の仕組みが機能することは、安心して暮らせる地域をつくるものだと思います。
子ども家庭支援センター、下立野林間こども広場の廃止 ➡ 子ども家庭支援センターと同時に、多くの親子に利用されていた「かるがも一時保育室」「かるがもひろば」が年度末に廃止、30年にわたりボランティアがプレーパークを行うなど、他ではできない活動がされていた「下立野林間こども広場」が12月で廃止されました。これまであった地域の資源は、「安心して子育てできる」ことや「豊かな暮らし」のために必要なものであり、市民の暮らしを支えてきました。経済負担の軽減を歓迎する声があることは当然ですが、それだけではない求められているもの、必要なものを、市民の声から捉えるよう求めました。
基金への積み増しを重視 ➡ 財政調整基金では約4億4千5百万円を積立て約30億4400万円に、公共施設等整備基金では約8億3千万円を積立て約57億2700万円に、基金残高全体では約110億6千万円となりました。厳しい財政状況の中、公共施設の計画的な保全と更新のため必要として、積み増しを重視したとのこと。しかし、積み増しの目標額や、具体的にどのように使うのかは示されていません。
子育ての経済的負担軽減や、学校教育での先進的な取り組みで「子育てで選ばれる」ようになる、公共施設の維持・更新のためにできるだけ基金を積み増す必要があるなど、市が必要性や良し悪しをジャッジし、取捨選択が行われています。しかし市民の望むもの、これまで市民の豊かな暮らしを支えてきたものが切り捨てられている現状があります。市民の声から求められているものは何かを捉え、将来に渡り市民の豊かな暮らしが発展するような施策の推進を求めました。
